亡くなった親の車にも相続税がかかる?

親が亡くなり、遺産の整理をしているときに、忘れがちなのが自動車の存在です。
「親が乗っていた車も相続税の対象になるの?」「古い車だから価値はないのでは?」と疑問に思う方もいるでしょう。
実は、亡くなった方が所有していた自動車も、原則として相続税の対象となります。
今回は、相続した自動車の評価方法や、相続税の申告にあたって注意したいポイントについて解説します。
1.自動車も相続税の対象になる
相続税の対象となる財産には、預貯金や不動産だけでなく、自動車などの動産も含まれます。
そのため、亡くなった親が所有していた自動車についても、原則として相続財産に含める必要があります。
自動車の名義変更をしていない場合や、相続後に誰も使用していない場合であっても、相続財産に該当することに変わりはありません。
ただし、自動車の価値は車種や年式、走行距離、車両の状態などによって異なるため、適切に評価することが重要です。
2.自動車の相続税評価額はどうやって決める?
自動車の相続税評価額は、原則として亡くなった日時点の時価をもとに算定します。
例えば、親が300万円で購入した車であっても、相続時点の価値が80万円になっていれば、購入時の300万円ではなく、相続時点の価値をもとに評価することになります。
自動車の時価を調べる方法としては、次のようなものがあります。
- 中古車買取業者に査定してもらう
- 同じ車種・年式・走行距離の中古車の取引価格を調べる
- 自動車の状態などを踏まえて、専門業者に評価してもらう
なお、中古車販売サイトに掲載されている販売価格と、実際の買取価格は異なることがあります。
そのため、販売サイトの掲載価格をそのまま相続税評価額にするのではなく、実際の取引事例や専門業者の査定額などを参考に、合理的に評価することが大切です。
3.古い車でも相続税の対象になる?
長年使用している古い車について、「もう価値がないから相続財産に含めなくてもよいのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、古い車であっても、売却できる価値が残っている場合には、その価値を相続財産として評価する必要があります。
一方、年式が古く、走行距離も多いなどの理由で、ほとんど値段がつかない車もあります。
このような場合は、実際の車の状態や査定結果などを踏まえて評価することになります。
また、注意したいのが、古い車でも高額で取引されるケースです。
例えば、希少価値のあるクラシックカーや人気のスポーツカーなどは、購入から長い年月が経過していても、高額な価値がついている場合があります。
「古い車だから価値はゼロ」とは限らないため、注意が必要です。
4.相続した車を売却した場合はどうなる?
親が亡くなった後、車を使う予定がないため、売却するケースもあるでしょう。
この場合、相続税の計算では、原則として亡くなった日時点の価値をもとに評価します。
例えば、親が亡くなった後に車を80万円で売却した場合、その売却価格は相続時点の時価を判断する際の参考になります。
ただし、相続後に時間が経過していたり、車の状態が変化していたりする場合には、実際の売却価格がそのまま相続税評価額になるとは限りません。
なお、自動車を売却した場合には、相続税とは別に所得税の問題が生じることもあります。
5.自動車のローンが残っている場合は?
亡くなった親が自動車ローンを利用していた場合、相続開始時点で残っているローンは、一定の要件のもとで相続税の計算上、債務控除の対象となります。
なお、自動車ローンの返済が終わるまで、車の所有者がローン会社や販売店になっている場合もありますが、このような場合でも、実質的に亡くなった方の財産として相続税の対象となることがあります。
また、死亡時に保険などによってローンが返済される場合もあるため、車検証の名義やローン・保険の契約内容を確認することが大切です。
6.まとめ
亡くなった親が所有していた自動車も、原則として相続税の対象となります。
自動車の評価にあたっては、購入時の価格ではなく、亡くなった日時点の価値を確認することが重要です。
また、古い車でも価値が残っている場合や、反対に高額で取引される車もあるため、車種や年式だけで判断することはできません。
相続税の申告では、預貯金や不動産に目が向きがちですが、自動車などの財産についても忘れずに確認しましょう。
※本コラムは、掲載日時点の法令等に基づく一般的な解説であり、個別の事案について税務上の判断を示すものではありません。実際の取扱いは、具体的な事情や法令改正等により異なる場合がありますので、申告や手続きに当たっては、税理士等の専門家にご確認ください。




